Myself;Yourself

さて、伏線は回収できたのか?
かろうじて最終回Bパートで全部の伏線回収しきったな。
佐菜のリスカと転校後のいじめは1話〜3話の親との会話聞いてれば一目瞭然。っていうかわからないのは国語力がないか、まじめに見てないかのどっちか。斜め上をいって、序盤の親との会話が全部佐菜のひとり言で、実は親は死んでるとかいう展開だったら予想の斜め上を行く予想できた範疇ってレベルだったけど、さすがにないかw
菜々香がかわった原因も、その記憶もわかったし、あと分かってないのはあおいちゃんの胸がなんであんなにでかくなったのかくらいだな。


このアニメのすごいところは、事態は悪い方向に向かってるんだけど、それをリアルで感じさせない構成と脚本にある。特に大きな事件らしい事件が起こるのは、発狂ババアにあさみが刺されるあたりまでない。それまでは雛子と遊んだり、あさみと仲良くしてる佐菜をみて菜々香がショックを受けたりする何処にでもあるような王道ラブコメ満載の展開だったのに、一エピソードに過ぎないと思ってた、署名運動問題から、若月姉弟のまわりが騒がしくなり、最終的には行方くらませてるし。何話だったかのオープニングであおいちゃんが「もうあの頃のようには戻れない」みたいな語りが印象的。気付いたら事態が深刻に深刻になっていってる。それになかなか気付かせてないっていう構成はみたことがない。これが雑破脚本の力なのかな。彼の脚本見るの2本目だけど、1本目との違いに驚いてたりもする。まぁ前回のは「ちょこッとSister」だから比べにくいけどねw


後半(10話〜)からのキャラの消失の手法も、前例がないわけじゃないけど、このアニメにはぴったり。若月姉弟を駆け落ちさせ、あさみを入院、あおいちゃんは佐菜から手を引くというスタイルをとって、まるで佐菜と菜々香の二人だけしかいないような擬似状況を作り出す。あ、先生と雛子はもともと準ヒロインみたいなもんだから論外ね。


最後の終わり方はちょっと解せなかったな。10年後ってw。菜々香と佐菜があの事件以来ずっといい感じでやってて、結婚決まったってことで一応ハッピーエンドなのかな。他の人はなにしてんのかいまいち分からないんだけど。


1クールっていうのがもったいない作品だったかも。雛子いなけりゃもうちょっとストーリーいじれたのになぁとも思う。雛子の話だけで2話分消費してるしな。雑破脚本の次回作を見たいと猛烈に思う。これでまた全く違う方向出してきたら、カテゴライズできない脚本家になっちゃうけど。



作品としては、王道ラブコメとみせかけて、後半には現代の闇も描いてたっていう、作品の明晰度が段々低くなっていく稀有な作品。隠れた名作になるのかな。